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マイオピン(アトロピン低濃度点眼薬)について

軽度または中等度の「近視のお子様」を対象に、目薬による「近視抑制」の治療を行っております。


幼少期の近視は、進行が早いって本当?
子供の近視は、年齢が低いほど進行が速いと言われています。
近視が低年齢で発症すると「強度近視」になるリスクが高くなります。

強度近視になると「眼軸長」が伸びて、網膜が引き伸ばされてしまいます。
(※子どもの近視は、眼球が楕円形に伸びてしまうことでピントがズレるケースが多い)

それにより「網膜剥離」「緑内障」「近視性黄斑変性」などの視力障害だけでなく、
失明の危険性も出てきます。

一度伸びてしまった網膜は元には戻らないため、近年では「小さい頃からの近視進行抑制治療の重要性」が注目されるようになってきました。




近視の進行を抑制する方法として、1日2時間の屋外活動が有効である事がわかってきました。

具体的には、明るさ1,000ルクス以上の光を週11時間以上浴びることが大切です。
※冬の曇りの日でも10,000ルクス以上あります。

台湾では体育の授業を屋外で行うことを義務づけたり、オーストラリアの子どもたちは、昼食を外で食べる取り組みが始まっています。

 



◆マイオピンとは?

マイオピンは、小児期の近視の進行を軽減させることを目的に開発された点眼薬です。

目薬にはアトロピンが0.01%配合されており、
1日1回の点眼を行うだけで近視の抑制効果が期待できます。

治療期間は最低でも2年間は継続する必要がありますが、
近視の進行が60%軽減されたという臨床結果があります。


<点眼開始から2年間の近視進行度>



◆マイオピンの使用方法


寝る前に、両眼に毎日1滴ずつ点眼します。
(※1容器1ヶ月間の使いきり)


◆マイオピンの安全性


マイオピン(アトロピン0.01%)点眼薬を2年間継続した研究結果の安全性については、以下の報告がありました。
※ シンガポール国立眼科センター(SNEC)調査

1. アレルギー性結膜炎及び皮膚炎の報告はない。
2. 眼圧に影響を与えない。
3. 白内障を形成するとの報告はない。
4. 点眼終了後も目の遠近調節機能の低下、また瞳孔がひらき続けてしまうという報告はない。
5. 電気生理学上、網膜機能に影響を与えるという報告はない。


◆処方の流れ

1.検査と診察(来院)
視力や目の状態などを検査・診察します。

2.処方
問題が無ければ「マイオピン点眼薬」を1本処方します。

3.1か月後に検査と診察・処方(来院)
初診から1か月後に検査・診察します。問題が無ければ最大3本(3か月分)処方。

4.3か月毎に検査と診察・処方(来院)
その後、3か月毎に検査・診察のため来院いただきます。問題が無ければ最大3本(3か月分)処方。

◆マイオピンについてのQ&A

白内障手術Q どれくらいの期間継続しないといけませんか?
白内障手術A 2年間は治療を継続して頂き、効果をみるというのが望ましいと考えております。

白内障手術Q 効果が無い場合もありますか?
白内障手術A 治療効果には個人差があり、効果が出にくい場合もあります。
まずは2年間治療を継続して頂き、効果をみていくことが望ましいと考えております。

白内障手術Q 視力は回復しますか?
白内障手術A なかには視力が回復する方もおられますが、マイオピンは近視を進まさないようにする治療であり、視力を回復する治療ではありません。
また、たとえ視力が回復した場合でも、長期的に持続するかどうかに関しては未知であります。
基本的には近視の進行を防止するための治療となります。

白内障手術Q 副作用はありますか?
白内障手術A まれに結膜アレルギーが起こることがございますが、「副作用がほぼ無い近視抑制用点眼液」と言われています。
また、点眼後7~8時間程度まぶしさを感じることがありますが、就寝前に点眼して頂ければ翌日の生活に支障をきたすことはありません。

白内障手術Q 全身への影響はありますか?
白内障手術A 現在のところ報告されておりません。

白内障手術Q 12歳以上でも治療は可能ですか?
白内障手術A はい、可能です。12歳を超えても近視は進行しますが、低濃度アトロピン点眼は近視の進行を抑える可能性があります。
治療を希望される方はご相談ください。

白内障手術Q メガネやコンタクトレンズの使用は可能ですか?
白内障手術A はい。可能です。 ただし、点眼はコンタクトレンズを外した後に行って頂きます。

白内障手術Q オルソケラトロジーとの併用は可能ですか?
白内障手術A はい。可能です。マイオピン点眼後、5分以上時間をあけてからオルソレンズを装用してください。

白内障手術Q 保険は適用できますか?
白内障手術A いまのところ保険適用外となります。
シンガポール国立大学の臨床試験では近視抑制効果が証明されていますが、日本ではまだ研究段階です。
今後、保険診療の対象に至るまでの有効性が認められれば適用される可能性はあります。



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